Developers Boost 2018-12-15 要約と感想
はじめに
2018年12月15日に開かれた、Developers Boost(デブスト)に行ってきたので私が参加したセッションの自分なりのまとめノートを簡単に記載します。
登壇資料はこちらに随時アップデートされるとのこと。
各セッションの要約と感想
【A-1】 U30の皆さんに贈る最速キャリア戦略 松本 勇気 [DMM.com]
【要約】
- 具体的なステップで自分のキャリア戦略を考え、取捨選択するための道しるべを持とう。
- 自分のことを周りに知ってもらう努力をしよう。
- エンジニアもマネジメントとヒューマンコミュニケーションのスキルが必要なので学習しよう。
- 組織の状況と情報を理解した上で提案をしていこう。
- 意思決定の過程が大事なので力を注ごう。
- 一度定まった組織の意思決定には意に沿わなくても全力で貢献しよう。
- 意に沿わなかったのは、自分の力不足と捉えて反省しよう。
【感想】
とにかく一番はじめに聞いたこのセッションが一番印象に残っています。 登壇者の松本勇気さんが何者なのか恥ずかしながら知らずに聞いていましたが内容と説得力に重みを感じました。 エンジニア界隈では有名な方ということを後から知りました。 私とはたったの2歳差ですがすでに数社でCTOの経験があるとのこと。話す内容も50代ベテランエンジニアレベルの経験を踏まえた内容。 この記事にもあるようにここまで思慮深い経営と組織運営の感覚を持つエンジニアはなかなかいないですね。 端的にまとめるとこの講演を通して私は彼のファンになりました。
【C-2】ZOZOのGlobal ECを支えるフロントエンド 松井 菜穂子 [ZOZOテクノロジーズ]
【要約】
ZOZOの自社ブランドECサイトのVueでのフロントエンド開発における改善アクションの話。
- ZoZoグローバルECのフロントエンド開発の話。
- ZOZOフロントエンドチームの色々ある課題を解決するにはレイヤーが必要とわかった。
- そこでAtomsやMoleculesを厳密には守らないゆるい”開発ルールを設けることにした。
- コンポーネントのカタログページを作成することでVueコンポーネント配置のルールは厳密にする。
- リファクタリングは開発者がボトムアップでやっていくしかないので、常にリファクタリングチャンスの機会を伺うようにしている。
【感想】
"厳密なルールを作らない"というのは大事だと思います。でもメンバーによってどこまでが"ゆるい"なのか基準が違うので簡単なようで難しいですね。 登壇者のお姉さんがかわいかったです。
【A-3】新規事業開発を支える技術 木田 悠一郎 [Sansan]
【要約】
Sansanの中での新規事業プロジェクトにてさまざまな技術選択を頑張ったよっていう話。それだけ。
【感想】
しゃべるの速いし、実際に採用した技術と検討したけど止めた技術がスライドでごっちゃになっててよくわからなかったです。
【C-4】 なぜサーバーレス「と」Dockerなのか 〜インフラ運用を最小化するサービス開発〜 小笠原 みつき [JX通信社]
【要約】
JX通信社ではサーバレス技術とDockerの両方を使っていてその理由を話してくれた。
- はじめ全部をサーバレスに持っていこうとしたが、サーバレスに合うアプリケーションとそうでないものがあることに気づき、Dockerなどを使うようになった。
- サーバレスが合わないケースとして「プロセスを常駐させたい」「クラウドの制約をオーバーする場合がある」
- DockerもサーバレスもDockerがCohona VPSでプラットフォームが提供されたり、サーバレス提供のクラウドも自由度をどんどん上げていったり、デメリットを潰す動きにはなっている。
- 開発の工夫としてサーバレス開発でもdocker-compose upでアプリが立ち上がる開発環境にすることで柔軟にする。あくまでもアプリをデプロイするためのものと捉える。
- どちらを採用にするにしても、開発・デプロイ・運用の仕組みが共通化されているのが良いと考えている。
【感想】
サーバレスとDockerを比較する構成で話が展開されましたが両者はユースケースも違うので比較するものなのか疑問です。この講演では具体的なサービスレイヤー面(APIを提供したいのかアプリを提供したいのか)がちょっと見えなかったのもあります。
【A-5】 ID連携を用いたサービス間連携とQR決済サービスPayPay 本間 洋光 [ヤフー]
【要約】
YahooのID連携ではOpen ID Connect標準に則ってやっているよ、という話なだけ。認証の基本的な話がメイン。
【感想】
参加している人ならほとんど知っているOAuth2認証とOpen ID Connectの仕組みをのっそりと話されてちょっと困りました。肝心のYahoo内の認証の話も特に特徴は無く残念。 流行りのPayPayがタイトルに入っているのに100億円キャンペーンなどの話も全く言及がなく残念。登壇者はかなり緊張している印象ではありました。
【C-7】 プロダクト成長のために『開発プロセス』を思考せよ~EBM(Evidence-Based Management)を軸とした『プロセスの見える化』と『ムダからの解放』を実践したインパクトについて~ 石垣 雅人 [DMM.com]
【要約】
- EBM(Evidence-Based Management)を軸とした『プロセスの見える化』と『ムダからの解放』を実践した
- プロダクトを管理するにあたって、仮説の検証、A/Bテストをしましょう。
- また、リリース後にはデータを使って効果検証しましょう。
- 「ROIを高めながらプロダクトを最速でリリースし、仮説検証を高速で繰り返せるか」が重要
- アプリをデプロイするまでのLeadTimeをいかに縮められるかが重要。
- LeadTimeを可視化することでたとえば承認までの時間が長すぎるなどの課題を明確化できる。
- 開発プロセスを思考しつづけ、最速でデプロイできて初めて市場価値のあるプロダクトになる。
【感想】
EBMという言葉は馴染みがなかったですが"LeadTimeをいかに縮められるかが重要"という観点はDevOps、アジャイルの思想においても重要ファクターなので腑に落ちました。 こういったマーケティングのKPI指標として捉えることは非常にビジネスと開発の協調を促す重要なものだと感じました。
【B-8】 スーパーエンジニアではなくとも好きな分野で生きていくには 山中 亮 [ディライトワークス]
【要約】
- 目標のベクトルとなるキャリアパスをまずしっかりと決めよう
- 運を引き寄せる行動を取ろう(やりたいことを周りに公言するなど)
【感想】
"キャリアパスを決めよう"ということと"やりたいことを公言するなどをして自分を知ってもらおう"という内容がA-1の松本勇気さんのセッションと同じでした。 こちらの登壇者も良いことを言っていると思うのですが松本さんと比べると言葉が軽いですね。経営者側の視点を深く持っているかの差かなと思います。
【C-9】 プロジェクト推進のための効率的な組織コミュニケーション 五十幡 直洋 [パーソルキャリア]
【要約】
- 経営層にデータ活用の重要性を伝えよう。
- 経営層に対して怯まずコミュニケーションに取りに行こう。
【感想】
登壇した人の胡散臭さが半端なかったです。怪しい商材を買わされそうな印象。 そして内容は社長をよいしょして思うようにプロジェクトを進められたよという話。退屈でした。
【C-10】 小さなチームでも高品質なモバイルアプリを作るためのテスト戦略 川辺 裕太 [and factory]
【要約】
- 社内チャットツールをデータ元にして、対象の技術に詳しい人をレコメンドするサービス(Chiwawa)の話。
- このサービスでは、「今まで関わったことが無い人」も見つけ出したい。(なんで今まで関わったことが無い人もレコメンドするのか謎)
- Step1 学習済みモデルを作る → Word2Vecの応用Doc2Vec、をさらに応用してみたUser2Vecを使って、ユーザ間の関係を解析
- Step2 Userレコメンデーション → 作った学習モデルをシステムに投入する
- 今後の課題として「アクティブラーニングの難しさ」がある。解決オプションとしてAzure Active Learning Serviceを使い機械学習の自動化をする。
【感想】
Chiwawaのサービス自体が面白いとは思いました。コミュニケーションを円滑するためのチャットボットは今後どんどん社内ツールとしても浸透していきそうです。 具体的な開発のStepがちょっと分かりづらかったです。
【A-11】 プロダクトを支えるSREの存在意義と役割 北野 勝久 [スタディスト]
【要約】
スタディストでのSREの取り組みを紹介。 内容はたくさんあったので割愛しますが、この書籍、SRE サイトリライアビリティエンジニアリングに沿って社内SREチームが取り組んでいるかの話でした。
【感想】
SRE サイトリライアビリティエンジニアリングはもはやSREエンジニア必見の書になっているようで自分も一読せねばと思いました。